揺れる乙女心なのですよ・・・。











其の10   愛の













宍戸先輩と鳳君がおぞましき格好にさせられている頃・・・。

私はあのダメテニス部の代わりに、立海の皆さんのお相手をしていました。

どこの部に、招いた学校の人達を放って好き勝手なことをする学校があるんでしょうか。


だから金持ちは嫌なんだ。





「すみません・・・すぐに出てくると思うんですけど・・・。」

が謝ることねぇよ!それに・・・俺は一生出て来なくてもいいし。」

「それでは困るでしょ・・・?」

が相手してくれるんだったら全然構わないって!」



いや、構うでしょ。

切原君は練習試合に来てるってこと、絶対分かってないんだと思う。



立海の部長は幸村さんだったっけ?

あの人は優しそうだけど、きちんとしてそうだよね・・・。

ウチもああいう人が部長だったら良かったのに。

真田さんみたいな人でも良かったなぁ・・・。


何でよりによってあの人が部長なんだろう。











「由希・・・跡部と忍足のこと、どう思っちょる?」

「跡部先輩と忍足先輩ですか?あの人達は変人の中の変人です。」

「あー、それは言えてるかもな。忍足って寒いこと平気で言うんだよ。」

「俺、丸先輩達が試合してる時に聞いちゃったんですけど、跡部先輩なんて『嫁に迎える』とか言ってたっスよ?」

「つまり・・・2人に対して恋愛感情はない・・・と?」

「あるわけないじゃないですか!!」



仁王さんってそもそも何を考えて質問してるんだろう?

質問の意義が分からない。

しかも・・・・。


何で柳さんはノートに書き込んでらっしゃるんでしょうか?


今の私の発言に、メモするようなことはなかったはずなんですけど。





 





「じゃあさ・・・俺のこと好き?」



またまた切原君は意味の分からないことを仰る。

そんなに目を輝かせて言われても・・・。


これじゃあ否定したら私が悪者じゃないですか。



「出会って間もないからよく分からないけど・・・嫌いじゃないよ?」

「へへ・・・良かった。」



ヤバイ・・・・。



何か切原君が可愛い。




ハッ!?私には丸井さんが居るというのに何てことを!!(付き合ってません)

だってフワって笑うから・・・。

こんな笑い方も出来るんだなぁって・・・。







が赤也を可愛いと思った確率・・・97%。」

「な、な、何でそれを!!!」

「えっ!マジで!?ヤッベ・・・スッゲェ嬉しいし!!」

「良かったな、赤也。お前が一歩前に出たぞ?」



どこから一歩前に出たんだろう。


徒競走とかなら、いわゆるフライングだよね。

それって反則なんじゃあ・・・?















「それじゃあ・・・俺は?」

「に、仁王さんですか?」

「そう、俺。」



仁王さんの第一印象って・・・・。


怪しい人なんだよね。


こう・・・笑い方とかが何かを企んでるみたいで。

でも顔は整ってるし、銀色の髪も似合うんだよね・・・。

結構好みだったり・・・する。

丸井さんの次に、だけどね・・・。



「正直に言った方がいいんですか?」

「嘘付いても俺には通用せんよ。」



確かにそんな気はする。

柳さんといい、仁王さんといい、立海にはエスパー的存在の人が多い気がする。

部の一環として取り入れてるとか・・・?

まさかね。




「仁王さんは・・・結構私の好みです・・・。」



自分で言ってて恥ずかしい///

これってプチ告白みたいじゃん!!

私の馬鹿!!丸井さんも居るっていうのに!!



「それは光栄です。姫。」

「え・・・・。」



仁王さんは、事もあろうに丸井さんの前で・・・・


私の手の甲にキスをした


絶対顔が赤くなってるよ///

何でこの人は普通にこういうこと言えるかな・・・。



「何してるんスか仁王先輩!!が妊娠するでしょ!!」

いや、さすがに妊娠はしないと思うよ。

「それがするんだって!仁王先輩だったら!!」



どれだけ信用がないんだ仁王さん。

キス位で妊娠だなんて・・・。


恐ろしい生殖能力だよ。











 





「・・・・俺は?」



ま、丸井さん・・・・。

そんな可愛らしい目でこっちを見るのは犯罪ですよ?


丸井さんは大好きだけど・・・こんな大勢の前で告白なんて私には無理!!

それに・・・絶対振られると思うし・・・。

丸井さんって彼女とか居るのかなぁ・・・。居そうだなぁ・・・。


だってあんなにカッコいいんだもん。


私みたいなブスは手も足も出ないくらいの美人さんと付き合ってそう・・・。

もしかして私ってば、報われない恋をしてる!?



・・・・1ついい情報をやろう。」

「・・・何ですか柳さん。そんなにコソコソと・・・。」

「丸井は今、彼女は居ない。ちなみに残りの2人もだ。」

「ほ、本当ですか!?」

「あぁ・・・俺の情報に間違いなど許されない。」



フフフ・・・。


何だか柳さんとは仲良くやっていけそうな気がしてきたわ!
(調子がいい)


ナイスです!柳さん☆




「俺はー・・・のこと気に入ってるぜぃ?さっきのお前の言葉を借りるなら、結構俺の好み。」

「お世辞でも嬉しいです・・・///」

「あ、信じてないだろ?そうだなぁ・・・仁王にばっかりいいトコ持っていかれたくねぇし・・・。」








そして丸井さんは―――――



私の頬にキスを・・・・!!!!








「ほら。これで俺が本気だって分かった?」




私は声を失って、ただ頭を上下にカクカクしていた。

絶対今日は顔を洗わない!!(汚い)



「あ、もしかして口のほうが良かった?」

「そ、そんな勿体無いこと!!」

「いつかはしてやるから・・・覚悟してろよ?」















氷帝のR陣が居ない間、こんな出来事があったのです。

立海の人は・・・皆、積極的というか・・・。



私の心臓が持ちそうにありません。








◇◇

あとがき


今回は題名通り、愛の嵐です。
今のトコ氷帝よりも立海がリード?
と、言うよりも丸井君がリードですね。