私は不幸を背負った少女なのです。



 




其の3   買い物という名の

 







今日は日曜日。特に用もなかった私は、お昼までぐっすり寝ることができて、気分は爽快。

素敵な1日を予感させる中、私は朝食兼昼食を食べていた。


何が1番素敵かって、学校がないこと☆

あの人たちに付き纏われないで済む。宍戸先輩に会えないのは残念だけど・・・。

全く、何が楽しくて私をからかっているのか分からない。

ホンットに趣味が悪い人たちだ!(鈍感)



ー、今日は暇?」

「あ、お母さん。うん、今日はどこかに出掛ける予定もないし1日中家にいるつもりよ。」

「それならお願いがあるんだけど・・・。ちょっとお使いに行って来てくれない?お母さんは今から掃除をするから。」



うーん・・・。面倒だけど・・・。

たまには親孝行しないと罰当たりだよね。しょうがないか!



「いいよ。何を買って来たらいいの?」

「ありがとう!!じゃあお願いね!!」








騙された・・・。

 


なんじゃこりゃあ!!!!

仮にも私は女の子ですよ!?っていうか女の子なんですって!!

お母さん虐めですか?虐めなんですね?

そうじゃないと納得できません。




米、20キロって何なのヨ。




片手に10キロずつ持てば大丈夫とかいう問題じゃないです。

私はか弱いんだってば!!(自分で言うか)



お、重い・・・・・・。

泣きそうだよ。潰れそうだよ。米捨てたいよ。(ダメです)



誰でもいいから助けて!!!



 

 

 




「姫さん、お困りやな。王子が助けたるでvv」



こ の 声 は 。



「こ、こんにちは忍足先輩。こんなところで奇遇ですね。あ、あははは・・・。(自分のこと王子って)」

「これを運命の赤い糸で結ばれとるって言うんや。、俺と結婚しよかvv」



何でそうなる。


はぁぁ・・・。誰でもいいから助けてだなんて、無責任なことを願うんじゃなかった・・・。

誰でもいいから親切で知らない人、助けてって願うべきだったか・・・。(誰でもいいことになるのか?)



「ほら、貸してみ。こないな重いモン、俺に任しとき。」

「あ、ありがとうございます。」

「せやから結婚しよかvv」



だから何でそうなる。


全く持って、ちっとも、微塵も、1%も関係ないと思うのですが。


でもまぁ・・・重たいのがなくなったんだからマシか。

一応、感謝しとかないとね。



「先輩、ホントにありがとうございます。助かりました。」

!!!」

「は、はい!?(肩をつかむな、米を落とすな)」

「結婚しよか!!」



いや、もう何なのヨ。



お礼言ったのと何にも関係ないでしょ。

いい加減しつこいですよ。先輩、眼鏡をかち割りますよ。(関係ない)

米持ってないのに疲れる・・・。



 

 

 




「あ、じゃん!!何してんだ?買い物か?」


あのオカッパ頭は向日先輩。

ちょうどいい。忍足先輩を連れて行ってもらおう。


米持ってたほうがまだマシだ。(結論)



「あ、先輩。忍足先輩をどうにかしてください!そうだ!2人で出掛けられたらどうです?」

「は?侑士がどうかしたのか?」

「岳人、邪魔しに来たんか!?俺とは楽しく会話しとったんや。帰れ。



仮にもダブルスのパートナーに何てことを。

会ってすぐに帰れとか、普通は言わない。


あ、この人は普通じゃなかったんだ。そうだった。
(納得)



は楽しくって感じじゃなかったぞ。侑士の勘違いじゃないのか?」



向日先輩、たまには良いこと言いますね!!

レベルが上がりました!(何の)



「岳人はお子ちゃまやからな。大人の魅力が理解できひんだけや。」

「俺は子供じゃねーよ!!侑士と同じ歳じゃねぇか!!」

「甘いな岳人。そうやってすぐにムキになるのが、お子ちゃまの証拠や。」



何を話してるんだか。




 

 




「やっぱりそうだ!!さーん!!」



ん?誰かがこっちに向かって手を振っているような・・・。

まさかね。


だってここから100メートル以上離れてるのに顔なんて分かるわけ・・・。



さん!!偶然だね!お出かけ?」




・・・・・・・。

鳳君、あなた視力いくらですか?

6.0とか・・・?凄いな、ホントに・・・。



「えっと・・・お使いの途中なの。そこに米があるでしょ。」

「あ、ここに落ちてるやつ?良かったら俺が運ぶよ。家まででいいの?」



鳳君、やっぱりいい人だよなぁ・・・。

ただ・・・。



「何や、鳳。その米は俺が元々持ってたんや。横取りはあかんやろ。」

「持ってたって、落としてたじゃないですか。」

「それは色々と理由があったからや。」



何の理由だよ、オイ。

肩をつかんでただけじゃないですか。



「とにかく、下に落としてたんだから文句を言われる筋合いはありませんよ。そうですよね、向日先輩。

「あ、あぁ・・・。」



鳳君、またまたブラックなオーラが出てますよ。笑顔が怖いです。

これさえなければ限りなく良い人なのに・・・。

向日先輩も迫力負けしちゃってるよ。



「あ、あの鳳君?そのオーラをしまって・・・。」



グシャ




あら?何か踏んだような感触が・・・・。



「んー・・・・。?」

「あ、芥川先輩!!!」



しまった!!私ったら人を踏んでしまった!!

はっ!?内臓とか飛び出てないよね!?(グロテスク)



「ジロー!!何でこんなトコで寝てんだよ!道路の真ん中だぜ!?」

が転んだりしたらどう責任とるんや!?」

「そうですよ!さんが怪我でもしたらどうするんですか!!!」



いや、心配するところが違うでしょ。

まず芥川先輩の身を心配するのが普通なのでは・・・。


あぁ、この人たち普通じゃなかったんだ。(2回目)



「んー・・・。ごめんね、。」



謝っちゃった。謝っちゃたよ、この人も。

え?もしかして私のほうが変なの?



いや、それは有り得ない。(断言)




「ねぇねぇ、俺も付いていってもいい?」

「何でジローが付いて来んねん。」

「どーせ忍足達も勝手に付いて行ってるんでしょ?」



お、意外に鋭いですね芥川先輩。

ちょっとだけ見直しましたよ☆(何をだ)




気が付いてみれば総勢5人。

こんなことになるくらいなら、お使いなんて断ってしまえば良かった・・・。

はぁ・・・。家までの辛抱だ。



 

 

 




「お前等、何してんだ?集会でも開くのか?」

「宍戸先輩!!お会いしたかったです!!」

「ん?あぁ。それにしても・・・。相変わらずお前は大変だな。」

「はい・・・。分かってくれるのは先輩だけですよ、ホントに・・・。」



こんなところで宍戸先輩に会えるとは!!

私、もう少し頑張れるよ、うん。(言い聞かせ)



「何や・・・ジローの次は宍戸かいな・・・。邪魔ばっかりやな。」

「そういう忍足先輩が1番邪魔なんじゃないですか?」



鳳君、怖いものなしですね。

隣で宍戸先輩の溜め息が聞こえました。

その気持ちが激しく分かります。


休日まで何でこいつ等と・・・・そんな感じです、きっと。


 



キキーッ!!





ん?



「おい、ここでいい。待っておけ。」




まさか・・・。まさかとは思うけど、この声は・・・。



「よぉ。こんなところであうなんざ、運命としか思えねぇな。」



似たようなセリフを最初の方で聞きましたが。



もう、何だこれ。

なんで次々と私の邪魔を・・・。


あ、宍戸先輩は違いますよ☆(誰に言ってる)


家まであとちょっとだというのに・・・。

よりによって跡部先輩と出会ってしまうだなんて・・・!



「跡部、車待たせてんやから、早よ帰りや。」

「そうですよ跡部さん。さんは俺達が家まで送りますから。」

「ふん・・・。お前等が何と言おうとは俺様を必要としてんだ。帰れるわけねぇだろ。」



いつ必要としたのでしょうか?

いえ、1度も必要としたことはありませんが。



、このまま俺様と式を挙げちまってもいいんだぜ?一緒に行くか?」



これも似たようなのを最初の方で聞いたんですけど。

思考回路が同じなのか?

あ、そんな気がする。



 

 

 



ー、ごめんね。さすがに20キロは重過ぎたわよね。お母さんも半分持つわ。」



お母さん、わざわざ外に出て来てたんだ。

別に気にしなくて良かったのに。(持っているのは鳳と忍足なので)



「もしかしてのお母さん?」

「あ、うん。あんまり似てないってよく言われるけど・・・。」




「初めましてv自分、忍足侑士って言います。お嬢さんとは良いお付き合いをさせていただいて・・・。」

「初めまして!鳳長太郎です。さんにはいつもお世話になってます。」




ってあんた達何してんだよ!!


いつの間にあんな所まで!!



「テメー等、邪魔だ。お母さん、跡部景吾と申します。近い将来、さんを迎えに参りますので、その時は宜しくお願いします。」



いやいや。こっち見なくていいから。

あんた何でほざいたこと言ってんですか。



「あらあら・・・。ったら人気者なのね。お母さん困っちゃったわ。」



お母さんは困らないでしょうが。



「せ、先輩方、ありがとうございました!では、ここで!!」



ここは逃げるが勝ち。

家に逃げ込んでしまえばこっちのもの。






 


「はぁ・・・。やっと解放された・・・。」

「お母さん、もう少し話していたかったわ。」

「何言ってんの?危険なんだよ!!」

「お母さん的には・・・眼鏡の子がタイプだわv今度お家に呼んでらっしゃいよ。」



あの眼鏡、お母さんに何しやがったんだ。
(疑いすぎ)



とにかく今日は疲れた・・・。

もう寝よう・・・。


 




◇◇

あとがき


ヒロインは苦労人です。