王子様が現れた。
其の4 いざ、立海へ。
皆さんこんにちは、不幸な少女ことです。
いきなり言うのもどうかと思うんですが・・・
私、転校したいです。
激しくそう思います。っていうか実現させたいです。
はぁ・・・。無理なことくらい分かってます・・・。(諦め)
「ねぇねぇ。今日さぁ、彼氏に会いに立海に行くんだけど付いて来てくれない?お願い!!」
嫌に決まってんだろ、面倒くさい。
でも、断れないのが私の悪いところ・・・。
「私じゃなくても別に・・・。」
「って部活入ってないし、暇でしょ?一生のお願いだから!!」
やけに「暇」という部分が強調されていた気がしたんだけど・・・。
確かに私は暇ですよ。(認める)
「・・・分かったよ。」
「ありがと〜!!さすがは!じゃあ帰りにテニスコートの前で待ち合わせねv」
「ちょっ!?テニスコートは・・・。」
もう姿さえありはしない。
言うだけ言ってサヨナラですか。
友人Aよ、あんたって人は・・・。
帰りが憂鬱だ・・・。
テニスコート=テニス部=部員がいる=もちろんレギュラーもいる
考えるだけで寒気が・・・。誰にも会わないようにしないと・・・。
放課後。
テニスコートの前に来て早くも10分経過。
友人Aよ、君は何をしているんだ?
人を誘っておいて待たせるだなんて非常識ですよ。
っていうか誰かに会う前に早く来てください。お願いします。
そうしないと・・・・
「じゃねぇか。こんなとこで何してんだ、アーン?」
ほらみろ。(誰に言ってる)
「跡部先輩・・・。部活に行かなくていいんですか?」
「フン・・・。が俺様を呼んでるんだったら、それくらいどうってことねぇよ。」
呼んでないし。
むしろ誰も近付くなと願ってたんだよ。
あんた仮にも部長だろ。
部長がそんなんでいいのか?(いけません)
「俺様を待っていてくれたのは嬉しいが・・・・。」
「いえ、待ってませんから。」
「照れんなよ。俺様の前では素直になっていいんだぜ?」
頭大丈夫ですか?
私はいたって真面目に素直一直線ですけど。(意味不明)
「おっ!やんかvv俺に会いに来たんかv」
どいつもこいつも。
あぁぁぁ・・・・。早く来てくれ、マイフレンド。
このままでは私の身が危険だ・・・。
「ごめーん!!化粧直してたら遅くなっちゃった!!」
「ナイスタイミング!!」
「ど、どうしたの!?」
「早く行こう!!一刻も早く!さぁ!」
「う、うん。」
やっと解放される・・・!!
頑張った・・・よく耐えたぞ私☆(壊)
「早く行くって・・・どっか出かけるんか?」
「きゃぁ!忍足先輩に跡部先輩vvv」
ちょっと待て。
語尾のvの意味が分からないんですけど・・・。
さてはこいつも洗脳された信者の1人か?
「それで・・・どこに行くんだ?」
「今から立海に行くんですvv」
「「立海!?」」
「・・・どさくさに紛れて何してるんですか。」
右手は跡部先輩、左手は忍足先輩にガッシリと握られた私。
放して欲しい、一刻も早く。
「あかん!!あかんで!?立海なんかに行ったら絶対あかん!!」
「そうだ!お前の身に何かあったらどうするんだ!?」
ここに居るよりかは安全だと思うのは私の思い違いでしょうか?
いえ、思い違いではありません。(自分で解決)
「別にトラやライオンが出るわけじゃあ・・・。」
「トラやライオンより危険なものが潜んでるんやで!?」
「悪いことは言わねぇから俺様の側に居ろ!!」
跡部先輩、何となく側に居ろっていうのは関係ない気がしますが。
もう何なの、この人たちは・・・。
友人Aも目がvになっちゃってるし・・・。
「大丈夫ですよ・・・。危ないようならすぐ帰りますから・・・。それでは。」
友人Aを引きずってその場を後にした。
「が立海の連中に喰われてまうで・・・。」
「・・・・・。」
色々あったけど立海に到着!!
初めて来たけど結構大きいんだ・・・。
ここに来るまでに無駄に疲れたよ・・・。
はぁ・・・。(さっきまでのことを思い出したらしい)
ん?友人Aは・・・。
「ダーリンvv会いたかったvv」
「俺も会いたかったvv」
いつの間に移動したんだよ。
「あ、ありがとう♪じゃあね☆」
なんじゃそりゃあ!!
私は付いて行かされただけですか!?
何の為に立海まで来たんだか・・・。
神奈川って結構遠いのに・・・。
はぁ・・・。帰ろう・・・。
あ、あれってテニスコートだ。
確か立海もテニス強いんだっけ。
みんな真面目に練習してるなぁ・・・。あれが普通なんだよ、うん。
やっぱりウチのテニス部がおかしいだけなんだ。
私を付け回す物好きな先輩は居るし、何かと抱きついてくる先輩はいるし、真っ黒いオーラを放つ同級生はいるし・・・。
胃が痛くなってきた・・・。
立海に入学してれば良かったなぁ。
そうすればこんなことには・・・。
ドゴッ
「ぐはっ!?」
緊急事態発生。
テニスボールが脇腹に直撃しました。(冷静だな、オイ)
まさか跡部先輩が復讐に!?(2話参照)
いやいや、ここは立海だし!
「スンマセン!!大丈夫っスか!?」
この人か!!あー、ビックリした。跡部先輩だったらどうしようかと・・・。
「いえ・・・大丈夫ですので・・・。」
「大丈夫なはずないって!!直撃してたし!!」
いえ、現に私はピンピンしてますしね?
意外に身体は丈夫なのですよ☆
「ホントに大丈夫ですから。」
「ちょっとこっち来て!!」
人の話を聞きなさいよ少年。
大丈夫だって言ってるのに・・・。
精々、お腹に痣が出来る程度だし。
私は少年に連れられて、部室らしきところへやって来た。
「えーっと、こういうのって冷やすんだっけ?湿布とか貼った方がいいのか?うーん・・・。」
少年は急いで救急箱らしきものを漁っている。
ホントに大丈夫なのに・・・。
「あのー、大丈夫ですからそんなに慌てなくても・・・。」
「あ、湿布あった!腹出してもらえます?」
何言ってんだ、少年。
笑顔で片手に湿布を持って腹を出すように促す少年。
悪気はないとは思うんだけど・・・。
一応私、女の子ですから。
まさか男に見えるとか?
いや・・・スカートはいてるしそれは無い。
まさか少年・・・素で言ってんのか?
「赤也、女の子にいきなり腹出せは無いじゃろ。」
あ、そうそう。その通りですよ。
話の分かる人居るじゃないですか・・・って、んなっ!?
いつの間に私の背後に!?
さてはこの人、ただ者ではないな・・・。
「あ、そっか。悪ぃ。気が付かなかった。」
少年、もしや天然なのか?
「そちらさん、名前は?」
「私ですか?」
「私じゃなかったら誰になるんかの。」
それもそうだ。
この人・・・なかなかやるな・・・。(何がだ)
「です。えっと、氷帝の2年です。」
「下の名前。」
「へ?ですけど・・・。」
「は何で立海に来たんか?」
さっそく呼び捨てかよ。
まぁいいんだけどね・・・。慣れてるし・・・。(氷帝の皆様)
「友達が彼氏に会いに行くって言って、連れて来られて・・・。」
「置いていかれた、ってとこかの。」
「はぁ、まぁ・・・。」
銀の髪の人は不敵に笑った。
この人・・・イマイチよく分からない。
「あの・・・それじゃあ帰ります。大丈夫なので。」
「ホントに大丈夫なのか!?」
「あ、はい。全然平気!」
良かった、というように少年は肩を下ろした。
どうやら相当気にしていたらしい。
肋骨の1本や2本折れても気にしなくていいのにね。(気にします)
「では、お騒がせしました・・・。」
んっ?
銀の髪の人、なぜに私の腕を掴んでらっしゃるのでしょうか。
部室使用料金取られるとか!?(そんな馬鹿な)
「雅治・・・。」
「はい?」
「仁王雅治。立海の3年。」
「あ、そうですか。」
理解不能度180%に到達。
この人、変わってるよ絶対。
「また会える・・・すぐにの。」
「???仁王さんとですか?」
「それは秘密。」
何だそれ。
疑問を非常にたくさん抱えながら、私は部室を出た。
「結構可愛い子でしたね〜。仁王先輩はタイプなんスか?」
「・・・・・・・。」
「先輩?」
「跡部と忍足の反応が楽しみぜよ。」
「??????」
あ、少年の名前を聞くのをすっかり忘れていた。
まぁいっか。どうせもう会うことも無いしね。
さぁて、お家に帰りますか!!
フサ
あれ、あの人タオル落としたのに気付いてない?
このままじゃ誰かに踏まれるかもしれないし、渡してあげた方がいいよね?
「あの、タオル落としましたよ?」
「ん?あぁ悪ぃ。サンキュな。」
この時私に、天使が舞い降りた。(何だそれ)
「い、いえ。どういたしまして・・・。」
「あ、そうだ。お礼にコレ。俺のお気に入りのガムだから絶対美味いと思うぜ!!」
その笑顔に私の心は奪われた。
一気に私の体温は上昇した。
「おっ、そんなに嬉しかったのか?ガム1枚で喜ぶなんて珍しいヤツだな。変わってるって言われるだろぃ?」
「へ・・・?いえ・・はい、まぁ・・・。」
「どっちだよ!!お前面白いのな!名前は?」
「・・・です・・・。」
「か・・・。俺は丸井ブン太。シクヨロ☆」
ズバーン!!(何の効果音だよ・・・)
ウインクにピースは犯罪です・・・。
は、鼻血が・・・。(汚)
「おっと・・・。真田が呼んでるな。じゃあな、!また会おうぜ!!」
「はい・・・。」
、14歳。
王子様に出会いました。
◇◇
あとがき
立海登場。
ヒロイン、ブン太に一目惚れ。