これだからイヤになる・・・。
其の9 間違った愛情表現
「気合い入れていけよ、お前等!!」
「「「「「おぉー!!!!!」」」」
何なんだろう、この気合い。
気合い入れるのは普通のことなんだけど、どうにも気色悪い。
そもそも私を中心に円陣を組んでる意味が分からない。
無意味に背が高いため見下ろされてるし(向日先輩を除く)、芥川先輩は抱き付いてくるし。
暑い。とにかく暑い。
確か昨日の夜、お天気お姉さんが気温は35度を超えるとか言ってたなぁ・・・。
今、きっと私の周りは40度を超えてる。
「いい匂いがする〜!」
「芥川先輩・・・暑いです。離れてください・・・。」
「えぇー・・・・・・・・・イヤ!!」
ちょっと迷って結局否定ですか。
いい匂いがするって、忍足先輩の付けてた香水の匂いが移っただけだと思う。
遠回しに忍足先輩を褒めてることになるのかな・・・。
ちょっと禁断の花園を想像しちゃった。(危険)
まぁ・・・一応顔はいいみたいだし、それなりに絵にはなるとは思うんだけど・・・。
って、何考えてんだよ私!!!
あぁ、そうか。
あの人達と一緒に居るからおかしくなっちゃったんだ。
「さん、俺を応援してくださいね!!」
「俺達だろ・・・。」
「うるさいですよ宍戸さん。」
「・・・・・・・悪ぃ。」
なぜ宍戸先輩は謝っているんだろう。
しかも後輩に。
やはりいじられ・・・・おっと癒し系ですね。
「宍戸先輩、頑張ってくださいね!私は氷帝では先輩だけを応援してます!!」
「ばっ!!お前、何言って!?」
「もちろん俺も応援してくれるよね?」
私は先輩の耳元でそっと囁いたのに、どうして鳳君に聞こえてるんでしょうか。
しかも最高の黒い笑みを引き連れて。
おかげで周りの温度が20度くらい下がったような気がする。
もちろん、ここは頷かないと私の命が危ない。
私は首が取れるんじゃないかと思うくらい、首を上下に振った。
首をかなり痛めてしまったが、命に比べれば安いものだ。
何となく宍戸先輩がとった行動の意味が分かった気がする。
どうやらダブルスから始めるらしい。
今、コートに立ってるのはジャッカルさん&丸井さんと宍戸先輩&鳳君。
ヤバイ、どっちを応援しよう。
宍戸先輩は私の大事な先輩だし、ジャッカルさんは大事な心の親友だし、丸井さんは・・・
王子様だし?(疑問系)
「おい、。もちろんお前は宍戸達を応援するんだよな?」
「それは・・・あの・・・・えっと・・・・・。」
「まさか他校の、関係ない丸井なんかを応援したりせえへんよな?」
「あ、あはは・・・・・・。」
心読まれてる!?
鳳君じゃないしそんな訳は!
っていうか、何でジャッカルさんの名前が出て来ないんだろうか。
いい人なのに・・・。
私と限りなく近い環境で育った理解者なのに・・・。
「。」
「へ、はい?」
「いつでも嫁に迎える準備は出来てるからな。」
いきなり何を言い出すんだこのナルシストは。
そんな話をしてたんじゃないでしょう。
真面目に考えてた私が馬鹿らしいよ。
「なぁ、。肩に付いとる糸くず取ってvv」
「??別にいいですけど・・・。」
「隙あり!!」
ガバッ
「うわっ!!」
糸くずを取ろうと手を伸ばすと・・・・。
なぜか忍足先輩の腕の中に収まった。
人が親切でやってあげようとしてるのに、それに付け込んでこの人は!!
何て恩知らずな人だ!!(若干意味が違う)
「うー!!先輩、試合が見れません!!」
「俺だけ見ときv」
「私は試合を見に来たんですよ!!」
「はぁー、抱き心地がええわvv」
人の話を聞けよ。
いや、マジで試合が見えないんですけど。
せっかく丸井さんが出てるのに!!
宍戸先輩の試合なのに!!
「忍足、何してんの!!に抱き付いていいのは俺だけなのに!!」
「あ、暑かった・・・。ありがとうございます芥川先輩・・・。
1点ほど間違った部分はありましたが、忍足先輩を離してくれて助かりました。
順位をつけるわけではないけど・・・。
抱き付かれるなら、まだ芥川先輩の方がマシだ。
慣れっていうのは恐ろしい。(オイ)
それで試合は・・・・・・・・・・・。
Σ終わってる!!!!
え!?結果はどうなったの!?
勝ったのはどっち?
「お前等、なかなかやるじゃん。」
「お前等もな。次は絶対負けねぇ。」
「そん時はまた勝たせてもらうぜぃ。」
あ、丸井さん達が勝ったんだ。
見たかったなぁ・・・・。
あの眼鏡が邪魔さえしなければ見ることが出来たのに・・・。(怒)
「宍戸、鳳・・・。ちょっと来い。」
「げっ・・・跡部・・・。」
その後、ウチのテニス部員達は部室の中へと消えていった。
人生知らないほうがいいこともある。
ホントに・・・わざわざ来てもらってるのに立海の人達を放っておいて何をしてるんだか・・・。
10分後、『私は敗者です』という鉢巻きを頭に巻かれ、上半身裸にされた宍戸先輩と鳳君を、私は決して見てはいない。
◇◇
あとがき
イマイチ意味不明な・・・。
元々、意味なんて無い小説なんですけどね。(苦笑)